Zabadakを知ってますか
芝居好きには、知られている「バンド」だと思う。中高生に圧倒的な人気の劇団キャラメルボックスの音楽を何度も担当したことでも知られているから。私は、実はこのバンドを追いかけ始めて、もうかれこれ18、9年。キャラメルボックスはまったく関係ない。というか、この劇団の芝居はあまり好きではないので、いささか複雑な心境だ。
(実は私は教師をしているが、学生とこのバンドの話が通じるのときがたまにあるけど、それは100パーセント、キャラメルボックス経由で知ったという場合。複雑。)
先に「バンド」と書いたが、実は固定メンバーが一人の、実質ソロユニットである。吉良知彦というギタリストでシンガーが固定メンバー。それでも通常のアルバムやライブは(かなりレギュラー化している)サポートメンバーを呼んで、バンド単位で演奏される。一番小さなユニットの場合でも、奥さんでコーラス・作詞担当の小峰公子が付いている。
音楽は、ギターの弾きこみのあるへヴィなものもあるが、基本的にはプログレ志向。ここ10年くらいは、日本のプログレ界の大御所難波弘之(Key)がサポートに付いたりもしている。かなり日本のプログレの中でも正統的な位置にあるとおもう。
そのZabadakが、初めて、ソロライブを行う。二人単位のコンサートなら今までもあったのだけど、完全なソロは初だ。ギターと鈴と譜面台と私/2008年ZABADAK春のツアー。東京は昨日(4月26日)の南青山マンダラのみ。
完全にヴォーカリスト/ギタリストとしてのみ、吉良知彦がステージに上るわけだ。派手なサポートメンバーを巻き込んでのアドリブの競演も、まったくない。はっきり言って不安だった。が、杞憂だった。シンガーとしての吉良は、今まで聴いたことのないような伸びのあるヴォーカルを聞かせてくれた。今までは演奏やコーラスが彩っていた彼の曲が、一人だけの声の中で信じられないほどの広がりを見せる。そして、「桜」や「水の踊り」といった、もはや旧譜に属する過去のプログレ大作の曲が、ギター一本でよみがえる。
アンコールでたった一曲だけ、小峰公子のサポートがあったが(観客全員をコーラスに巻き込んでのマイクなしの「光降る朝」! すばらしかった!)、基本的には、吉良の独壇場。戸惑いが素直に口に出され、また、曲の弾き間違いや歌詞間違いなどのご愛嬌もあったが(実は、これはバンド単位でやっていても見られる、ファンにはなじみの光景)、単なる手作り感以上の、至福のひと時であった。
20年近く追いかけて、それでも新たな発見がある。まだまだ楽しみな「バンド」である。
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